加味逍遙散という漢方薬。婦人科系の症状にとても良いお薬をとってもカンタンな薬膳で再現してみた。更年期障害のホットフラッシュ、月経不順、自律神経の乱れなどの改善に。

- 加味逍遙散とはどんな症状にいい漢方薬なのか
- 加味逍遙散を食事に置き換えたときのメニューと食材の働き
<置き換え薬膳メニュー>
たこ飯
黒きくらげ&たまごとインゲンのスープ
ゆりねの和風グラタン、ゆりねのたまごとじ
ミントティーorシトロンティー
*加味逍遙散は芍薬(芍薬の根を乾燥させたものを使用)や牡丹皮(牡丹の木の皮)、
山梔子(クチナシの果実を乾燥させたもの)と美しい花を咲かせるものの一部を
生薬として使っているところが女性のための漢方薬。
とても美しい漢方薬です。
★漢方薬に負けず劣らずの薬膳(ご飯)シリーズの記事はこちら
この記事のもくじ
01.
加味逍遙散
①柴胡(さいこ)・薄荷(はっか)
イライラや神経質で流れが悪くなった気の改善。気の流れをよくします。
②生姜(しょうきょう)・甘草・白朮(びゃくじゅつ)・茯苓(ぶくりょう)
消化吸収を良くしてお腹を元気にし、気血を補います。
③当帰・芍薬
補血。身体の中の陰(芍薬・収れん)陽(当帰・発散)のバランスをとります。
④牡丹皮(ぼたんぴ)・山梔子(さんしし)
身体の中の余分な熱を冷まして、気持ちを落ち着けます。かなり冷やす力の強い生薬
10の生薬からなりますが、女性をいたわってくれる生薬が多いです。
下記のような症状の改善に良い漢方薬です。
- 精神的不安でイライラ
- 怒りっぽい
- 月経前のPMSがきつい
- 月経不順
- 更年期障害のホットフラッシュ
- のぼせやほてり
- 気持ちのゆらぎ
- 自律神経の乱れの改善
③の「当帰と芍薬」
血を増やす。
陰陽バランス整える。
芍薬が陰で収れん、当帰が陽で発散。
このペアはどこまでも美しいのです。
02.
気の流れを良くしてウツウツ発散 薬膳(ミント)
①柴胡(さいこ)・薄荷(はっか)に変わる食材は「ミント」
薄荷というのはミントのことです。メントール系の匂いを嗅いだり、食べたりするとスーッと身体の中を冷たい風が流れたような気分になりますね、あれは気が通ったということです。
薄荷(ミント)
五味:辛味
五性:涼性
帰経:肝・肺
気の巡りを良くするだけでなく、顔がほてったり、首や肩が熱いときに薄荷(ミント)はおすすめです。首や肩がぼーっと熱くなる、これは更年期障害のホットフラッシュでもあります。
家にいるときにホットフラッシュになった場合はミントティーを、外出先であればメントール系のアロマオイルやミントガムを持っていると安心ですよ。
●おすすめ薬膳茶
ミントティー、シトロンティー
ミントティーやレモンやオレンジ、ライムに蜂蜜を入れたシトロンティーもおすすめです。柑橘系の果物は気の巡りを良くして、爽やかな酸味が気持ちをリフレッシュ&イライラ・焦りの気持ちをキュッと抑えて落ち着けてくれます。
03.
お腹の調子を整えて気も血も増やす 薬膳(たこ飯)
②生姜(しょうきょう)・甘草・白朮(びゃくじゅつ)・茯苓(ぶくりょう)に変わる食材は「たこ」
たこ
五味:甘味・しおから
五性:平性
帰経:肝・脾
たこは気血を補って身体を元気にする食材で、夏に食べると良いとされています。夏場のたこの酢の物はさっぱりして美味しいですね。
夏の暑さでイライラする気持ちを落ち着けてくれる。
加味逍遙散を必要とするとき、イライラや熱感が症状としてあらわれている場合があります。そんなときは夏に活躍する食材を食べると良いのです。
夏の暑さとイライラや熱感は同じものと考えるからです。
たこは月経不順の改善に良いと薬膳ではされています。加味逍遙散は月経不順を改善する漢方薬としても服用されるので、たこを薬膳として意識して食べることは良いことですね。
たこ飯にすると、お米で気の補充をたっぷり出来ますので、ここではたこ飯をおすすめします。食べる直前にショウガの千切りを散らして、ご飯の立ち昇る湯気に混ざるショウガのピリッとした香りを楽しんでくださいね。
あまりにもイライラがひどい、気持ちがたかぶるときはたことキュウリの酢の物がおすすめです。キュウリはイライラで発生した身体の中の熱を取り、酢の酸味がたかぶる気持ちをキュッと抑えてくれますよ。
04.
陰陽バランスを整えて血の補充 薬膳(たまご)
③当帰・芍薬に変わる食材は「たまご」
たまご(卵白) 陰
五味:甘味
五性:涼性
帰経:心・肺・腎
まずは卵白から見ていきましょう。卵白は身体の余分な熱を冷まします。潤いを与えてくれる白い色の卵白。動悸や息切れ、不安感を和らげてくれます。
静める・冷ますは陰のチカラですね。
たまご(卵黄) 陽
五味:甘味
五性:平性
帰経:脾・肺
次に卵黄です。黄色い色で陽の気の補充です。ご存知とても栄養価が高くて、風邪を引いて体力が落ちているときはたまご酒やたまごのお粥を食べると元気が出ます。
血や体液を増やして気持ちを安定させてくれます。たまご一つの中に陰陽が入っているので、なんとも嬉しい食材ですね。
●黒きくらげ&たまごとインゲンのスープ
女性の一生は血の一生。と言われるぐらい女性には血が必要です。月一度の月経で多くの血を失うのでそれが心の不安定にもつながります。たまごと一緒に血を増やす黒きくらげも食べましょう。
黒きくらげの記事はこちらから♪
2人前
- 黒きくらげはお湯で戻して千切りにします。(適量ですが、結構増えるので加減を見てください)
- たまごは中1個、インゲンは1パックで食べやすい大きさに切っておきます。
- お鍋にお湯を沸かして、粉末の鶏ガラスープの素を入れます。味見しながらね。
- お鍋のお湯が湧いてきたら黒きくらげとインゲンを入れて少し煮込みます。
- 火を止めて、溶き卵をふんわりと回し入れましょう。
- はい、出来上がり!
スープやお味噌汁はカンタンに出来る薬膳です。
食材の旨みや栄養がお汁に溶け出して丸ごと頂けます。
そして何より「心があったまる」ホッとする美味しさ。
即席でも良いので1日に一度召し上がってくださいね^^
05.
清熱と鎮静 薬膳(ゆりね)
④牡丹皮(ぼたんぴ)・山梔子(さんしし)に変わる食材は「ゆりね」
ゆりね
五味:甘味
五性:寒性
帰経:心・肺
ゆりねは一年中スーパーで買える食材ではないのですが、女性特有の悩みにはとてもいい薬膳食材なのです。ゆりね自体も百合(びゃくごう)という名前で漢方生薬になってます。
心を落ち着かせる作用がとても強い食材になります。精神的な疲労から来るイライラや不眠の解消におすすめです。心に沸き上がる熱を冷ましてくれます。
冬が旬の食材なので出回る時期には積極的に食べることをおすすめします^^
●ゆり根の和風グラタン
クラシルさんが「ゆり根の和風グラタン」のレシピを公開してくださってます。
チーズは血を増やすので女性には嬉しい食材ですね。月経量が少ないなど血虚気味の人は特に!
●ゆりねのたまごとじ
私はもっぱらこのメニューです。たまごも一緒に食べれるからです^^
こちらの記事にゆりねの詳しいお話とレシピも載せています。
今回も加味逍遙散をとってもカンタンな、見慣れたメニューで置き換えることが出来ました。
お薬を飲む前にいつものご飯の見直しのきっかけになれば嬉しいです。
●クラシエさん「加味逍遙散」のページ
服用の際は漢方薬局や漢方外来で相談してからにしてくださいね。
自己判断はダメですよ。
体調を整えるお手伝い「薬膳エネルジーア」やってます。
体調を整えるお手伝いをしています。
体質や(その時の)体調と食材とのマッチングが薬膳ではとても大切です。
今のこの心のゆらぎ、体調だから「この食材とあの食材を組み合わせよう」そして不調をケアする。
このマッチングは漢方薬膳をみっちり勉強しないとなかなか難しいのです。
「ツイッターや何かで見たけど、こうだろう」では間違える確率が高い。なぜならその情報は他大勢に対しての発信だからです。オーダーメイドではないのです。
そうならないように私がお手伝いしていきます。
不調の時に「あれ食べる?これ食べた方がいいの?」なんて、しんどいのに考えてられません。
そこを私が引き受けます^^
不調をどうやってケアしようかと考える時間や病院に行く時間を自分の自由な、好きなことを出来る時間に変換する。
今まで掛かっていたお薬代でカフェでお茶したり、我慢していた好きなものを買う。 時間とお金をもっと自分の楽しみのために遣いましょう!
不調をケアするためのやり取りは残るので、サポート終了後もそれを見返すことで不調をコントロール出来るようになります。
1度サポートを受けると一生モンになりますね。
一生モンにして頂くのは私のミッションでもあります。
食事を薬膳(薬になるご飯)にちょこっと変えて毎日を楽しく過ごす。
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